登録文化財 は全国で7500余件(2009/6現在)に上り
その中で大阪府は514件と一位である。
因みに2位は兵庫県の388件、3位は352件の長野県と
続く。これから見ても大阪府は以下に多くの歴史的資産を
官民問わず保存してきたかがわかる。
大阪市内で主な物だけでも40件を超え、これらは全て
民間の所有物である。
日頃町を散策してあちこちで目にするが、今日は市内からはずれて
羽曳野市にある
畑田家へと向かった。
11/15は秋の一般公開日で次々と見学者が訪れていた。
畑田家は江戸時代に建てられた庄屋屋敷で以来今日まで幾星霜を
経て現存している屋敷である。
今もこの家で生活がされており、有形文化財に指定されていることもあり
春秋に一般公開されている。
詳細はhpを参照
上記は入場時にもらったパンフレットである。
近鉄電車で阿倍野から恵我ノ荘まで約15分、
ここから徒歩30分の道のりであるが昨日とは打って変わっての
寒さ、バスを利用することにした。
かっては一面田園風景が広がっていただろうと思われるが
今は住宅街になっていて細い道路をバスが対向車を避けながら
進んでいく。
凡そ10分で最寄りの郡戸(こうづ)に到着
案内に沿って歩くとバス停から徒歩1分で目指す畑田邸に到着。
これが畑田邸の全景である。(絵はがきをコピー)
長屋門を入ったところから主家玄関を見たところ。
(絵はがきをコピー)
屋敷側から長屋門・蔵を見たところ。
瓦屋根、前景の庭には赤く色づいた南天の実、傍らに手水鉢
古き良き日本の家屋の風景である。
画家中村貞夫氏の版画が掛けられていた。
氏のアトリエが畑田家の敷地内にある。
仏間の長押には写楽の版画が掛かっていた。
長押の幅の広さに驚く。
座敷の床の間
書院
座敷から庭を望む
扇の欄間
長押の飾り金具
部屋の間仕切りのふすまの敷居、300有余年の歴史を
物語っている。
庭から屋敷を見たところ
白い壁、瓦屋根、かってはこのような家がどこでも見られたのだが
今や限られた所でしか見られなくなった。
日本建築の美しさがこれ以上失われないように国を挙げてするべきだ。
客座敷縁側の庭を外側から見たところ
納屋の黒塀に南天の実がよく似合う。
主屋側から蔵屋根を見たところ
玄関から長屋門を見たところ
長屋門の横の蔵
蔵の正面
蔵の庇
梁の断面に風雪に耐えてきた後が伺える。
蔵の鍵
蔵の道側に面した明かり取りの窓、中から外は見ることが出来るが
外から中は見えない目隠し構造になっている。
土間の竈、現在は使用されていない。
熟柿が今にも落ちそうな秋の一コマ、都会では見ることが出来ない
風景である。
屋根瓦色々
当主の説明に寄れば材木の強度は100年でピークに達し、
その後徐々に衰えてくるそうだ。従って強度が衰えてきたところを
うまく保守していけば数百年でも住めるとのこと。
それに比べれば今の家は鉄筋コンクリートでも数十年で立替をしている。
これは地球環境の視点からも見直さなくてはならないのではないか。
近代建築はコストに重点を置き後々の保守のことは置き去りにされている
ように思えてならない。
木造住宅に戻せと言うのではなく、その時々に最適と思われる住宅が
100年、200年さきのことを考えて設計・施工されているかどうか、
この観点から国土交通省も法規を見直す必要があるのではないか。